2016 年 30 巻 5 号 p. 828-835
近年の経口電子胆道鏡の高画質化に伴い,胆管病変の質的診断・進展範囲診断における有用性の報告が散見されるが,胆道内視鏡所見が確立しているとは言い難い.肝胆膵領域の外科切除が施行された41例(非腫瘍粘膜39例,腫瘍粘膜13例)の摘出標本における肝外胆管粘膜の拡大内視鏡所見を,病理所見を基に検討した.非炎症性粘膜の内視鏡所見には楕円形陥凹と口径不同の無い網目状の血管網が挙げられ,炎症が高度化するとこれらの所見は不明瞭化した.また高度炎症性粘膜では多彩な不整粘膜や異常血管がみられ,一部は腫瘍性粘膜との鑑別が困難であった.乳頭型腫瘍では“ループ状血管”がみられ,粘膜構造による非腫瘍粘膜との境界が明瞭であった.結節型腫瘍では特徴的な腫瘍血管はみられず,粘膜構造の変化も乏しく非腫瘍粘膜との境界は不明瞭であった.現行の胆道内視鏡診断の確立に向けて,更なる基礎的研究の蓄積と機器開発の推進が待たれる.