2017 年 31 巻 1 号 p. 111-118
症例は73歳女性.閉塞性黄疸で紹介受診.肝,十二指腸,膵頭部,横行結腸へ浸潤を伴う胆嚢癌と診断した.予定術式を肝右葉尾状葉切除兼膵頭十二指腸切除,横行結腸部分切除とし,減黄後に経皮経肝門脈塞栓術を施行.処置後3日目に39.9℃の発熱を認め,血液培養からStaphylococcus属が検出された.3週間に及ぶ広域抗生物質の投与,胆管チューブ交換を行ったが血液培養は陰性化せず,解熱しなかった.血液濾過透析とエンドトキシン吸着療法を施行した所,直ちに解熱し,血液培養は陰性化した.22日間の解熱期間の後に,予定術式を施行した.膵液漏を認めたが,保存的に軽快し術後45日目に退院した.本症例の経過が,胆道癌治療における術前の難治性感染症に対して参考になると考え報告する.