胆道
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総説
経口胆道鏡の現状と新展開
河本 博文谷川 朋弘浦田 矩代岡 好仁中村 純末廣 満彦
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2017 年 31 巻 5 号 p. 821-830

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抄録

胆膵内視鏡治療は,内視鏡というシースを用いたIVRという感が強いが,経口胆道鏡(POCS)は胆管を直接観察できるモダリティーの一つである.POCSには3つの方法があり,Single operator cholangioscopy(SOC),Dual operator cholangioscopy(DOC),Direct cholangioscopy(DC)と呼ばれている.SOCとDOCはMother-baby方式である.DOCは2人の術者で,使用する内視鏡は画質に優れるが,操作性とスコープの耐久性に難がある.SOCでは術者一人でディスポーザブルの胆道鏡を用いる.操作性に優れているが画質はやや劣る.DCでは通常経鼻内視鏡を用いる.画質と処置性共に優れる.しかし,胆管への挿入性に問題があり稀ではあるが空気塞栓という重篤な合併症がある.POCSの発展には技術的イノベーションが必要である.

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© 2017 日本胆道学会
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