2018 年 32 巻 1 号 p. 153-159
症例は70歳の女性.健康診断で肝機能障害を指摘され肝門部領域胆管癌を疑われた.MRCPで中部胆管から右前区亜区域枝・左外側区亜区域枝に及ぶ広範囲の胆管狭窄を認めた.CTではMRCPで認めた狭窄部に一致して胆管壁の肥厚と造影効果を認めた.狭窄部の組織生検では悪性所見を得られなかったが,画像所見より肝門部領域胆管癌Bismuth IV型と診断し肝左3区域・尾状葉切除+肝外胆管切除を行った.病理所見では胆管壁に乾酪壊死を伴う類上皮肉芽腫の形成があり,肉芽腫性胆管炎と診断した.Ziehl-Neelsen染色は陰性だったが,結核腫の可能性があると考えられた.術後23カ月経過し,狭窄の再燃はない.胆管結核は稀な疾患で,胆管狭窄の鑑別診断にあげることは困難である.しかし抗結核治療で狭窄は改善する可能性が高いため,鑑別疾患の一つとして認識しておく必要がある.