2018 年 32 巻 1 号 p. 147-152
症例は50歳,女性.造影CT検査で胆嚢壁不整肥厚を指摘した.腹部USで胆嚢体部に約3mmの内側低エコー層の肥厚と,一部に丈の低い隆起が描出された.EUSでは顆粒状の胆嚢壁肥厚を認め,外側高エコー帯の不整がないことを確認した.また膵管と胆管が十二指腸固有筋層外の膵実質内で合流する所見が得られた.ERCPで膵管と胆管が同時に造影され,胆管内胆汁のアミラーゼは165,550IU/lであった.術前の画像診断から胆嚢壁肥厚の主体は過形成と推察され,治療は腹腔鏡下胆嚢摘出術とし,術中所見および術後の病理結果をもとに追加治療を検討する方針となった.摘出胆嚢の肉眼像は顆粒状粘膜と乳頭状隆起病変がみられ,漿膜面への病変露出はなかった.病理組織学像は過形成が大部分を占め,一部で核の多層化した所見が散在してみられ,BilIN-1と診断した.膵胆管合流異常の発癌過程を考える上で貴重な症例であった.