胆道
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症例報告
腹腔鏡下胆嚢摘出術時のクリップが迷入し,術後16年目に発症した総胆管結石症の1例
池ノ上 実七島 篤志
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2018 年 32 巻 2 号 p. 251-255

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抄録

症例は65歳男性.16年前に胆嚢結石症,慢性胆嚢炎に対して腹腔鏡下胆嚢摘出術(以下LC)が施行された.今回,突然の心窩部痛を主訴に当院を受診した.CTで総胆管内にLC時に使用したクリップと思われる金属陰影を認め,ERCでクリップ周囲に総胆管結石と思われる1cm大の陰影欠損像を認めた.クリップ迷入による総胆管結石と診断し,内視鏡的切石術を施行した.

近年,LC時に使用されるクリップが他臓器に迷入するPostcholecystectomy clip migrationの報告が散見される.発症機序としては諸説あるが,総胆管結石症や胆管炎の原因となり,LCの術後長期合併症の一つとして認識されるべき重要な病態と考えられる.

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© 2018 日本胆道学会
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