胆道
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総説
原発性硬化性胆管炎(PSC)のup-to-date
田中 篤
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2018 年 32 巻 2 号 p. 241-250

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抄録

原発性硬化性胆管炎(PSC)は肝内外の胆管に多発性・びまん性の狭窄が生じ,胆汁うっ滞を来たす慢性肝疾患である.潰瘍性大腸炎など炎症性腸疾患の合併率が高く,腸管局所の炎症ないし腸内細菌叢の病因への関与が推定されている.病理学的にはonion-skin fibrosisと呼ばれる所見が特徴的だが頻度は低いため,診断には肝生検よりも胆道造影所見が重要である.数珠状所見,剪定状所見,帯状狭窄などがPSCに特徴的である.診断後短期間で悪化し肝不全に陥る症例や胆道癌を併発する症例がみられる一方,長期間安定している症例も存在するなど,PSCの臨床経過にはかなり幅がある.このため薬剤の有効性を検証する臨床試験のデザインが困難であり,長期予後改善効果が確立された薬剤はいまだ見出されていない.肝移植後の再発率の高さも問題となっており,現在においても難治の疾患である.

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© 2018 日本胆道学会
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