2019 年 33 巻 1 号 p. 114-120
症例は81歳男性.倦怠感と褐色尿を主訴に近医を受診した.血液検査で総ビリルビンの上昇と肝胆道系酵素の上昇を認め,CTでは三管合流部に及ぶ遠位胆管狭窄と壁肥厚を認めた.閉塞性黄疸の治療および胆管病変の精査目的に当院へ紹介となった.閉塞性黄疸に対しては胆管ステントを留置し減黄を行った.胆管病変に関してはERCで遠位胆管から三管合流部に造影欠損を認め,生検では腺癌と診断された.EUSやERCで十二指腸乳頭部も観察されていたが,特に悪性所見等の指摘はなかった.遠位胆管癌(Bd-Bp)の診断で亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した.病理組織学的所見では胆管に低分化型腺癌の像を認め,また十二指腸乳頭部に高分化型腺癌の像を認めた.両病変間の胆管上皮にはBilIN1-2に相当する異型上皮を認めた.組織型が異なる点や免疫染色の相違から遠位胆管癌と十二指腸乳頭部癌の重複癌と診断した.