2019 年 33 巻 1 号 p. 121-126
腎細胞癌胆囊転移はまれな疾患であり,とくに胆囊への単独転移の報告は少ない.症例は65歳,男性.当院泌尿器外来通院中の定期的な腹部エコー検査で胆囊腫瘍を指摘され,当科紹介された.既往歴で6年前に右腎癌に対し,右腎摘出術を施行されている.腹部超音波検査,CT,MRI,超音波内視鏡検査にて胆囊頚部にφ10mm大の円形腫瘤を認め,悪性腫瘍の否定ができず手術となった.手術は開腹にて施行し,術中超音波検査にて明らかな肝浸潤は認めず,迅速診断にて腺癌が否定されたため胆囊床切除を含む拡大胆囊摘出術を施行した.病理組織学的所見で既往の右腎癌と類似しており,腎細胞癌(淡明細胞型)胆囊転移の診断となった.腎細胞癌の胆囊への単独転移はきわめてまれであるが,腎癌の既往のある胆囊腫瘍では本症を考慮し,積極的な切除により良好な予後が期待されると考えられた.