2019 年 33 巻 4 号 p. 734-743
症例は71歳,女性.20歳代の時に神経線維腫症1型(NF1)(von Recklinghausen病)と診断された.かかりつけの医院で施行されたCTで膵頭部腫瘍が疑われ,当院へ紹介受診となった.上部消化管内視鏡検査では十二指腸主乳頭に露出腫瘤型の腫瘍と,下行脚に粘膜下腫瘍を認めた.ソマトスタチン受容体シンチグラフィーでは十二指腸に異常集積を認めなかった.主乳頭腫瘍は生検で神経内分泌腫瘍(NET),下行脚粘膜下腫瘍はEUS-FNAでGISTと診断し,亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した.切除標本の病理組織検査で,NETはG1でリンパ節転移を伴い,GISTは超低リスクと診断した.NF1には様々な腫瘍性病変が生じることが知られているが,十二指腸主乳頭NETと十二指腸GISTが併存した1例を経験したため,文献的考察を加え報告する.