2019 年 33 巻 4 号 p. 726-733
症例は81歳男性.原発性硬化性胆管炎による難治性胆管狭窄に対しPTBDを施行した.PTBD直後より発熱をきたし,血液培養陽性であった.CT所見では,右肺動脈分枝内に低吸収域,ならびにその末梢の肺野に空洞性病変を認め(feeding vessel sign),敗血症性肺塞栓と診断した.また,左肝静脈末梢はPTBDチューブと接触しており,接触部から中枢側に向かい血栓を認めた.その後,PTBDチューブ交換を施行した際に静脈性出血を認めた.以上からPTBD時に肝静脈損傷を起こし,胆管―肝静脈瘻から肝静脈に感染性血栓をきたし,敗血症性肺塞栓に至ったと考えた.
PTBD後に,空洞性肺病変を認めた場合には肝静脈損傷による敗血症性肺塞栓も鑑別する必要があり,それは肝静脈末梢の損傷でも起こりうる.PTBDに起因した敗血症性肺塞栓発症例は稀だが重要な合併症であり報告する.