2019 年 33 巻 5 号 p. 824-831
当科で施行した腹腔鏡下胆嚢摘出術(LC)1222例(開腹移行72例を含む)のうち,術後胆汁漏を認めた13例について検討した.内訳は,LC完遂例で5例(0.4%),開腹移行例で8例(11.1%)だった.術後24時間未満での確認が10例,24時間以上が3例だった.各種画像検査で胆汁漏の部位を確認した.LC完遂例で胆嚢管断端が1例,胆嚢頸部断端が5例(全例開腹移行例),経皮経肝的胆嚢ドレナージの瘻孔が1例,部位不明が6例であった.治療方法は,術中に留置したドレーンの利用が7例,ドレーンの入れ替えが1例,内視鏡的経鼻胆道ドレナージ(ENBD)+右横隔膜下ドレナージ1例,ドレーン+右横隔膜下ドレナージ1例,ドレーン+肝床部ドレナージ1例,ENBDが2例だった.胆汁漏治癒に平均10.6日を要した.胆汁漏の発生は胆嚢頚部処理が困難なために開腹移行した胆嚢亜全摘症例で多かった.