胆道
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原著
コンベックス型超音波内視鏡による胆嚢管病変の拾い上げの可能性
比佐 岳史桃井 環塩澤 哲
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2020 年 34 巻 1 号 p. 68-75

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抄録

当科にてコンベックス型EUSによる系統的胆道描出を行った連続711例を対象に,胆嚢管領域病変の発見状況,胆嚢管描出率を検討した.発見された胆嚢管領域病変は30例で,結石22例,癌4例,腺筋腫症3例,過形成性ポリープ1例であった.EUSは全病変を描出したが,US,CT,MRIの病変描出率は結石では0%,42.1%,41.2%,結石以外の壁肥厚・隆起では12.5%,85.7%,75.0%であった.EUS施行理由は,結石では胆嚢炎・胆管炎・膵炎の原因検索,壁肥厚・隆起では胆嚢結石・胆嚢内胆泥の出現・増加が最多であった.EUSの胆嚢管全域描出率は82.3%(585/711)であった.対象期間を前半と後半に分けると,胆嚢管全域描出率は前半では70.7%(249/352),後半では93.6%(336/359)へ上昇した.コンベックス型EUSは胆嚢管を高率に描出し,胆嚢管病変の拾い上げの可能性を有する.

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© 2020 日本胆道学会
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