胆道
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総説
超音波内視鏡下胆道ドレナージの進歩と課題
石渡 裕俊
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2020 年 34 巻 1 号 p. 76-88

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抄録

超音波内視鏡下胆道ドレナージ術(EUS-BD)はERCP困難例に行われる.本邦では超音波内視鏡下瘻孔形成術として保険収載され,ハイボリュームセンターを中心に行われるようになってきた.一期的内瘻化ができることが最大のメリットであり,外瘻を行わない点で入院期間短縮などにつながる可能性があり,経皮胆道ドレナージ術(PTBD)に代わる手技となる.手技成功率は82-100%,偶発症発生率は0-21.2%とされている.消化管壁を介して瘻孔を作成する手技であり,トラブル発生時にはERCPでは生じなかった重篤な偶発症につながる可能性があり,出血・穿孔・腹膜炎などが発生した際には,手術,血管造影,PTBDなどが必要となる場合があり,熟練した外科医・放射線科医のバックアップ体制で行うことが必須である.本稿では,これまでの文献をまとめ,EUS-BDの現状と問題点について論じたい.

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© 2020 日本胆道学会
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