2020 年 34 巻 4 号 p. 781-789
術前胆道ドレナージに関して,ルーチンに採用する本邦と不要であると考える海外の間で対立があった.しかし,右葉切除以上の肝切除では胆道ドレナージは肝不全率や死亡率を低下させることが判明した.このため,肝切除量に応じて胆道ドレナージの適応を考えるようになった.過去には胆道ドレナージの主な方法であった経皮的胆道ドレナージは,術後に瘻孔再発や腹膜播種を増加させ,予後を悪化させることが判明した.この結果と内視鏡的な技術の進歩とも関係し,本邦では内視鏡的な胆道ドレナージが第一選択となった.また,術後死亡率の危険因子の一つが術前胆管炎であるため,術前胆道ドレナージは術前胆管炎が少ない方法が望ましい.本邦では内視鏡的経鼻胆道ドレナージを第一選択とし,海外では内視鏡的胆管ステントを第一選択とすることが多い.後方視的研究に基づくため,施設や地域間格差は現在でも認められる.