胆道
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症例報告
多隔壁胆嚢に黄色肉芽腫性胆嚢炎を合併した1例
田中 貴之北島 知夫池田 貴裕力武 美保子青木 茂久足立 智彦江口 晋
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2020 年 34 巻 5 号 p. 883-889

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抄録

症例は60代の男性.時折右季肋部痛を自覚するも放置していた.検診で受けた腹部超音波検査の結果,胆嚢の異常を指摘され,精査加療目的に当院紹介.血液生化学検査では炎症反応や肝・胆道系酵素の明らかな異常は認めず,腫瘍マーカー(CEA,CA19-9)も正常範囲内であった.CTやMRCP検査では,胆嚢内腔に多数の隔壁を認め,US上胆嚢頚部に結石を認めた.以上より有症状の多隔壁胆嚢および胆嚢結石症と診断し,胆嚢摘出術を施行.胆嚢は萎縮しており,多房性の形態を示し,内腔には多数の隔壁を有していた.また病理組織学的所見では,胆嚢壁・嚢胞壁の間質内に炎症性肉芽腫組織の形成と,一部で好中球,リンパ球の浸潤を伴う膿瘍形成を認めており,多隔壁胆嚢に黄色肉芽腫性胆嚢炎を併発しているものと考えられた.このように多隔壁胆嚢に黄色肉芽腫性胆嚢炎が併発する報告は稀であり文献的考察を加えて報告する.

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© 2020 日本胆道学会
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