2021 年 35 巻 2 号 p. 214-220
症例は85歳男性.前医で総胆管結石による閉塞性黄疸に対しERCP施行した際,結石を把持したバスケットカテーテルによる乳頭部への嵌頓(バスケット嵌頓)を来し,当院に紹介入院となった.当院でエンドトリプターでの結石破砕を試みたがバスケット部分のワイヤーが断裂し,先端が胆管内に遺残した.そこでPTBD後,断裂したバスケットワイヤーを経皮経肝胆道鏡(percutaneous transhepatic cholangioscopy:PTCS)下で経皮的に回収し,結石を電気水圧衝撃波破砕療法(electronic hydraulic lithotripsy:EHL)で破砕をした.破砕した結石は経乳頭的に除去した.結石の成分は炭酸カルシウム98%以上であった.バスケット嵌頓及びワイヤー断裂のトラブルシューティングにPTCS下治療が有用であった症例を経験したので報告する.