胆道
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症例報告
閉塞性黄疸を主訴に発見された胆管癌と十二指腸Neuroendocrine tumor(NET)を合併した1例
豊澤 惇希和唐 正樹榊原 一郎
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キーワード: NET, NEN, cholangiocarcinoma
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2021 年 35 巻 2 号 p. 205-213

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抄録

症例は75歳女性.黄疸を主訴に当院受診.画像診断でNETを考える膵頭部腫瘤と胆管拡張,多発肝腫瘤を認めた.ERCPでの胆管生検では腺癌,膵頭部腫瘤へのEUS-FNAではNET,多発肝腫瘤の肝生検ではNETが検出された.以上より胆管癌とNETの合併と診断した.ソマトスタチンアナログを1カ月投与し,NETの肝転移巣は縮小傾向であったため,胆管癌が予後に影響すると判断し,胆管癌に対して幽門輪合併膵頭十二指腸切除術を行った.病理結果は胆管癌に関してはpT3aN1M0 pStIIBであり,また膵頭部腫瘤は巨大なリンパ節転移であり,NETの原発巣は十二指腸であった.

胆管癌と十二指腸NETを合併し,診断および治療方針の選択に苦慮した貴重な症例のため報告する.

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© 2021 日本胆道学会
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