2021 年 35 巻 4 号 p. 643-650
症例は70歳女性.父に胆道癌,妹に大腸癌の家族歴あり.X年2月,肝左葉切除,肝外胆管切除術を行い,肝内胆管癌pT3N0M0:stage IIIB(原発性肝癌取扱い規約第6版),組織学的剥離面陽性の診断で,テガフール・ギメラシル・オテラシル(S-1)補助化学療法を行った.X+1年4月,多発肺転移再発を認め,ゲムシタビン+シスプラチン療法を17コース行い,痺れのためゲムシタビン+S-1療法に切り替え,20コース行った.肺転移が増大傾向となり,手術検体にて高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)が判明したため,X+3年5月よりペムブロリズマブに変更した.4コース施行後のCTで腫瘍は縮小し,部分奏功の状態である.胆道癌はLynch症候群関連腫瘍の一種とされるもののMSI-Hを有する割合は2%程度とされ稀であるが,本例のように有効な例も見られるため積極的に検査を考慮すべきである.