胆道
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症例報告
下痢を契機に発見され大量の漿液性分泌物を伴った肝内胆管由来の嚢胞内充実性腫瘍の1例
織田 崇志松本 和幸加藤 博也吉田 龍一西田 賢司藤井 佑樹山崎 辰洋友田 健堀口 繁堤 康一郎岡田 裕之
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2021 年 35 巻 4 号 p. 651-659

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抄録

症例は45歳,男性.下痢(7~8回/日)による脱水で当院受診となった.造影CT検査で肝左葉に直径約20cmのだるま状の嚢胞性腫瘤を認め,内部に淡く造影される乳頭状の充実部を伴っていた.内視鏡では乳頭開口部から漿液性の液体が大量に流出しており,胆管造影では腫瘤とB2との交通を認めた.明らかな粘液の存在は認めなかったが,胆管内乳頭状腫瘍(IPNB)を疑い,肝拡大左葉切除術を施行した.病理所見は嚢状に拡張した胆管内に,立方状から低円柱状の異型上皮が主として腺管状に増殖する腫瘍であった.免疫染色はMUC1陰性,MUC2陰性,MUC5AC一部陽性,MUC6陽性であり,増殖形態と免疫染色からIPNBや胆管内管状乳頭状腫瘍とも合致せず,肝内胆管由来の嚢胞内充実性腫瘍と診断した.術後に下痢症状は改善した.腫瘍が大量に漿液性の分泌物を産生し,胆管を通じて,乳頭から排出された事が下痢の原因であったと考える.

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© 2021 日本胆道学会
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