2022 年 36 巻 1 号 p. 5-9
胆道癌に対する根治を目指した外科治療は,膵切除,肝切除,血管合併切除,そして肝膵同時切除等の手技の導入により発展してきました.しかし,血管合併切除・肝膵同時切除等の拡大手術は現在でも手術死亡率が高く,患者のQOLは良好とは言えません.今後は手術の安全性を高めることはもちろん,診断精度の向上や低侵襲手術の導入などによってより良好なQOLを目指す努力が必要です.
当科の胆道癌切除477例を検討したところ,胆道癌のR0切除率は,肝門部領域胆管癌が54%と最も低く,乳頭部癌が98%と最も高い結果でした.全ての胆道癌でR0切除例の予後は,R1切除例よりも有意に良好で,根治(R0)切除の重要性が確認されました.また胆道癌切除例の入院死亡率は1.7%(8/477)でした.この中では肝門部領域胆管癌の入院死亡率が最も高かったのですが,最近7年間には入院死亡を認めず,手術の安全性は徐々に改善されていると考えられました.