2023 年 37 巻 1 号 p. 91-99
症例は69歳男性.腹痛を主訴に前医を受診した.血液検査,腹部CT検査で胆石性膵炎が疑われ,ERCPが施行された.胆管から粘液の流出を認め,胆管由来の粘液産生腫瘍が疑われた.精査目的に当院へ紹介となった.造影CTでは胆嚢管内に限局する早期濃染,平衡相washoutを呈する隆起性病変を認めた.EUSでは胆嚢管を主座とした乳頭状の腫瘤を認めた.腫瘤は胆嚢管開口部に露出していたが,胆管への進展を認めなかった.胆道鏡観察では胆嚢管から発赤調の乳頭状隆起が胆管側に露出していたが,開口部周囲粘膜は正常であった.以上から原発性胆嚢管癌の疑いと診断し,外科的切除を施行した.病理組織学的にはICPNであり腫瘍は胆嚢管に限局していた.Farrarの診断基準を満たした自験例を文献的考察とともに報告する.