背景:胆管癌水平方向進展度評価におけるマッピングバイオプシー(MB)は,偽陰性,偽陽性を認めることがある.
方法:2010-2021年にMDCT,ERC,MBと外科的切除を施行した,肝門部領域胆管癌31例,遠位胆管癌52例のMDCT+ERCでの画像診断とMBの胆管癌水平方向進展範囲の診断能を比較した.
結果:肝門部領域胆管癌での画像診断とMBでは,肝側胆管進展度診断 感度43%/57%(P=1.0),特異度100%/79%(P<0.05),遠位胆管側進展度診断 感度100%/100%(P=1.0),特異度100%/79%(P<0.05);遠位胆管癌の肝側胆管進展度診断 感度22%/56%(P=0.3),特異度100%/70%(P<0.01)といずれもMBの特異度が有意に低かった.
結論:MBでは生検鉗子挿入時の腫瘍混入等による偽陽性例を認めた.MB施行には腫瘍混入を防ぐ工夫が必要と思われた.
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