胆道
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原著
急性胆嚢炎に対するbridge to surgeryとしての内視鏡的経乳頭的胆嚢ステント留置術の有用性:20症例の検討
小林 聖幸鎌田 英紀中林 良太小野 正大河野 寿明波間 大輔藤田 直樹山名 浩喜徳毛 誠樹國土 泰孝
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2023 年 37 巻 4 号 p. 747-753

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抄録

近年,内視鏡的経乳頭的胆嚢ドレナージ術は急性胆嚢炎に対して行われるドレナージ方法の一つとして普及しているが,bridge to surgery(BTS)におけるドレナージとしての報告は少ない.今回,急性胆嚢炎のBTSとして内視鏡的経乳頭的胆嚢ステント留置術(EGBS)を行った20例を経験したため報告する.166例の急性胆嚢炎症例の内,BTSとしてEGBSを施行した20例を対象とし,有用性と安全性について検討した.EGBSの手技的成功率は100%(20/20例),手技関連偶発症は5%(1/20例)に認め,軽症急性膵炎であり,保存的加療で改善した.術前待機期間のステントトラブルは5%(1/20例)にみられ,経乳頭的にステントを交換し,その後胆嚢摘出術が施行された.急性胆嚢炎診断時に早期胆嚢摘出術が困難な症例に対して,EGBSはBTSにおけるドレナージ法として有用かつ安全な治療法と考えられた.

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© 2023 日本胆道学会
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