3例の同時性多発胆嚢癌を経験した.
症例1:81歳女性,胆石経過観察中に胆嚢腫瘍を認め腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行.切除標本中の2病変はいずれも腺癌であった.追加切除で胆嚢床切除,リンパ節郭清を施行し癌遺残無くT2aN0M0 Stage IIAであった.
症例2:76歳男性.腹痛精査で胆嚢腫瘍を認め手術施行.横行結腸と十二指腸に浸潤あり,胆嚢床切除,亜全胃温存膵頭十二指腸切除,横行結腸部分切除術を施行.切除標本中の2病変はいずれも腺癌でT3a N0 M0 Stage IIIAであった.
症例3:92歳女性.腹痛精査で胆嚢腫瘍を認め高齢のため胆嚢摘出術施行.切除標本に4病変を認め1病変は腺癌とNEC(神経内分泌癌)が混在していた.3病変は腺癌でT2bN1M0 Stage IIIBであった.
多発胆嚢癌,特にNECとの併発は非常に稀であり,文献的考察を加え報告する.
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