胆道
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症例報告
塩酸ミノサイクリン注入が有効であった膵頭十二指腸切除術後のSpiegel葉からの離断型胆汁漏の1例
三浦 世樹竹内 男鈴木 崇之西川 貴雄尾形 章
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2024 年 38 巻 1 号 p. 85-90

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抄録

72歳,女性.膵頭部癌に対して,亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した.術後15日目の膵胃吻合部に留置したドレーンからのドレーン造影にて尾状葉枝の胆管が造影され,離断型胆汁漏の診断となった.ドレナージを継続し,術後27日目に5Frの先端バルーン付きカテーテルから塩酸ミノサイクリン10mgを注入した.さらに術後30日目,33日目,36日目に塩酸ミノサイクリン30mgを追加で注入した.特に重篤な副作用はみられなかった.その後,胆汁漏は軽快しドレーン排液も減少,ドレーン抜去に至った.術後離断型胆汁漏に対する塩酸ミノサイクリン注入は,低侵襲で有効な治療法の選択肢の一つと考えられた.

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© 2024 日本胆道学会
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