2024 年 38 巻 5 号 p. 693-701
重篤な背景疾患を有する患者に発症した急性無石胆嚢炎に,胆嚢摘出術を実施せずに治療を完結することの妥当性は定まっていない.当院で経験した急性無石胆嚢炎の胆嚢摘出術実施群6例と非実施群17例を比較したところ,重症度は両群同様であったが,非実施群はより高齢で,Tokyo guidelines 18の手術危険因子を有する割合が多く,performance status(PS)が不良であった.胆嚢摘出術非実施の理由は,重篤な背景疾患,PS不良,高齢,認知症,腹部手術既往,根治不能な悪性腫瘍の併存や鑑別診断,軽症などであった.非実施群では,胆道炎再燃を2例認めたが非手術的な再治療で軽快した.また,背景疾患で5例が死亡し,待機手術を検討した症例はなかった.軽症や耐術困難な急性無石胆嚢炎の症例では,医療側と患者側の十分な協議のうえ胆嚢摘出術を実施せず治療を完結することは,容認できると考えられた.