2025 年 39 巻 2 号 p. 220-228
症例は73歳,男性.4年前に胆石胆嚢炎に対して腹腔鏡下胆摘術を受けた.病理では悪性所見はなかった.今回,大腸腫瘍の精査中にPET-CTで胆嚢手術部にFDGの集積を認めた.胆嚢管閉鎖部の金属クリップから胆管合流部までの遺残胆嚢管に一致して濃染される軟部陰影を認めた.腫瘤は肝S5に浸潤していた.遺残胆嚢管癌を疑い,肝外胆管切除,S5部分切除,リンパ節郭清を施行した.切除標本では胆管粘膜面に異常はなく,胆嚢管開口部には腫瘤は認めなかったが,その奥は閉塞していた.割面では肝臓との境界が比較的明瞭な22×20mm大の粘液性腫瘤を認めた.病理では遺残胆嚢管粘液癌と診断された.またpStageIIIAで治癒切除であった.術後放射線療法とS-1の内服で5年無再発生存中である.