2025 年 39 巻 4 号 p. 612-620
小児胆道疾患の病態は胆汁排泄に関わる機能障害や構造異常など多岐にわたる.遺伝子検査の進歩により,これまで特定できなかった新規の遺伝性胆汁うっ滞症や新生児硬化性胆管炎の原因遺伝子が明らかとなりつつある.胆管形成異常におけるシグナル伝達や,原発性硬化性胆管炎における腸内細菌叢の異常と病態に関する研究も進んでいる.稀少疾患であるためこれまで不明とされていた自然歴や長期予後に関して,世界規模の多施設共同研究やレジストリ研究が行われるようになった.薬物療法では,アラジール症候群に対する回腸末端胆汁酸トランスポーター阻害薬が注目を集めている.今後,小児胆道疾患に関するさらなる病態解明が進み,治療開発につながることが期待される.