2025 年 39 巻 4 号 p. 636-644
症例は78歳女性.前医で施行された血液検査で肝胆道系酵素上昇を認め,CT検査で遠位胆管癌が疑われたため,当院を紹介受診となった.造影CT検査では,膵内胆管に遅延性濃染を示す全周性の壁肥厚を認め,上流胆管の拡張を伴っていた.超音波内視鏡下穿刺生検法にて腺癌の診断であったため,遠位胆管癌の診断で亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した.病理組織診断は腺扁平上皮癌であり,最終診断はT2N1M0,Stage IIBであった.術後補助化学療法としてS-1を半年間投与し,術後2年以上再発なく経過中である.病変部の組織を,腺癌の指標としてCEA,扁平上皮癌の指標としてcytokeratin5/6にて免疫染色を行ったところ,染色パターンから腺癌から扁平上皮癌への段階的な移行が推測された.腺扁平上皮癌は比較的稀な腫瘍であり,免疫染色にて腺癌から扁平上皮癌への移行を示唆する所見が得られたため,報告する.