胆道
Online ISSN : 1883-6879
Print ISSN : 0914-0077
ISSN-L : 0914-0077
症例報告
画像所見から肝細胞癌と術前診断し,外科切除を行った胆管性過誤腫の1例
瀬尾 信吾中島 亨野間 文次郎田村 陽介小柳 由季浦岡 直礼仙谷 和弘
著者情報
ジャーナル 認証あり

2025 年 39 巻 5 号 p. 800-810

詳細
抄録

症例は73歳の男性で,慢性C型肝炎の既往を有した.内科にて蛋白尿の精査中,2カ所の偶発肝腫瘍を指摘された.腫瘍マーカー値はPIVKA-2が1003mAU/mLと高値であった.肝dynamic CTにて,S8腫瘍(42mm)は早期濃染し平衡相にてwashoutを認めたが,S6腫瘍(10mm)は早期濃染を認めたがwashoutは乏しかった.EOB-MRIでは両腫瘍は共に,T1強調で低信号域,T2強調・拡散強調にて高信号域,造影では早期濃染と肝細胞相での低信号域を認めた.以上より同時性に多発した肝細胞癌2病変と診断し,2カ所の肝部分切除術を実施した.術後の病理診断は,S8腫瘍は肝細胞癌の像であったが,S6腫瘍は異型の乏しい拡張胆管の集簇と内部の胆汁栓を認め胆管性過誤腫と診断した.早期濃染を示す肝病変では胆管性過誤腫も鑑別疾患の一つになるということを医療者は認識しておく必要がある.

著者関連情報
© 2025 日本胆道学会
前の記事 次の記事
feedback
Top