2025 年 39 巻 5 号 p. 811-817
症例は70代男性.肝門部領域の1型胆管内乳頭状腫瘍(IPNB)に対して2002年拡大肝右葉切除+肝門部胆管切除術を施行.術後5年間は再発なく経過した.2011年12月当科入院時に,左肝内胆管(B3)内に腫瘤を指摘された.左肝内胆管(B3)から経皮経肝胆管ドレナージ(PTBD)を施行.経皮経肝胆道鏡(PTCS)下に狭窄部の腫瘤に対する生検で腺癌を認めた.腫瘍は局所に限局しており,初回手術から10年後の2012年2月に肝外側区域切除術を施行した.最終病理診断は,IPNB with high-grade intraepithelial neoplasiaで,初回手術病変と類似の組織像のため異時性の多中心性発生の病変と診断した.再手術後12年9カ月に他病死するまで無再発であった.IPNBの根治術後の遺残胆管に多中心性発生した病変に対して再切除しえた症例の報告は少なく,その機序についての考察も含めて報告する.