2025 年 39 巻 5 号 p. 818-825
症例は57歳男性.検診で肝胆道系酵素上昇と食道静脈瘤を指摘された.CT・MRCPで中部胆管狭窄と壁肥厚,肝外門脈閉塞を認め,EUSで胆管壁や周囲の静脈瘤による多血性所見を確認し,胆管静脈瘤と診断した.門脈血栓による閉塞に伴って側副血行路が発達し,静脈瘤を形成したと考えられた.食道静脈瘤にEISを,門脈血栓に抗凝固療法を施行したが十分な効果は得られず経過観察した.3年半後に血栓が上腸間膜静脈・脾静脈へ進展したため再精査し,JAK2V617F陽性が判明し,骨髄穿刺所見も含め本態性血小板血症と診断された.JAK2遺伝子・本態性血小板血症に起因する過凝固状態が門脈血栓形成と胆管静脈瘤発生に寄与したと考えられる.原因不明の肝外門脈閉塞症では骨髄増殖性疾患を念頭に置いた精査とJAK2変異検査,血液内科との連携の重要性が示唆された.