2026 年 40 巻 1 号 p. 126-132
超高齢化社会を迎え,外科的切除を優先し難い急性胆嚢炎症例が増加している.経乳頭的胆嚢ドレナージ(ETGBD)は手術の代替治療の一つであるが,胆嚢管の同定に難渋することがある.胆道造影に用いる造影剤(アミドトリゾ酸ナトリウムメグルミン注射液60%)の比重は胆汁より大きく,胆管断面において重力方向が優先的に造影される.本検討では,急性胆嚢炎4例を対象とし,事前の造影CTで胆嚢管分岐方向を確認し,分岐方向が重力方向に近づく体位でETGBDを施行することが有効か検証した.胆嚢管分岐方向に基づき,全例左側臥位で開始し3例は胆道造影時に仰臥位方向に体位を調整した.偶発症は1例で胆嚢管からの造影剤漏出を認めたものの,全例で速やかに胆嚢管が造影され手技に成功した.胆嚢管分岐方向と重力方向が近づくよう開始体位を調整することで胆嚢管同定が容易となり,ETGBDの成功率が向上すると考えられた.