2026 年 40 巻 1 号 p. 133-138
症例は80歳女性,急性胆嚢炎に対して腹腔鏡下胆嚢摘出術(Laparoscopic cholecystectomy:以下,LC)の手術歴がある.右背部痛を主訴に他院を受診,肝膿瘍の疑いで当科紹介となった.造影CTで肝右葉の背側に造影効果を伴う腫瘍を認め,腫瘍内部には石灰化の混在した嚢胞様構造を認めた.病変は右腎,肝臓,横隔膜,肋骨と接していた.後腹膜膿瘍・炎症性腫瘤を疑ったが,悪性腫瘍も否定できず手術を行った.右第10肋間から上腹部への横切開で開胸開腹,後腹膜腫瘤とともに,右第11肋骨,横隔膜,肝および右腎部分切除も施行した.切除標本では嚢胞構造を伴う白色の腫瘤で,嚢胞内に黒色の結石を認め,組織学的には肉芽腫であった.以上よりLC時の落下結石を核とした肉芽腫と診断した.稀な1例を経験したので報告する.