2026 年 40 巻 1 号 p. 139-142
T2胆嚢癌は外科切除で長期生存が期待できる進行度であるが,国内で施行された全国集計例のデータから拡大胆嚢摘出術と系統的S4b+S5切除で予後に有意差が認められなかったことから,術式の標準化には至っていない.我々は微小肝転移を切除するための至適肝切除範囲は胆嚢静脈還流域と考え,ICG蛍光を用いて可視化し切除する術式を実践している.
ICG蛍光法は,開腹手術におけるMIPSとフルカラーオーバーレイ機能が搭載された腹腔鏡カメラの登場によりリアルタイムナビゲーションが可能となった.開腹手術では胆嚢動脈からICGを投与しているが,腹腔鏡下に胆嚢動脈にカニュレーションすることは困難であるため,胆嚢動脈を除いた肝門部血流遮断下にICGを静脈投与することで同様の手技が可能である.
Chibaらは本術式により従来法では切除しない領域の微小肝転移が切除出来た症例を報告し,その有用性を示している.今後は前向き研究にて有用性を検証する必要がある.