症例は36歳,女性.数日間続く右季肋部痛を主訴に当院を受診した.腹部超音波検査で胆嚢内腔に大小さまざまに区分されるような隔壁様構造を認めた.腹部造影CT検査では,様々な方向に走行する薄い隔壁を胆嚢全体に認め,隔壁の造影効果は胆嚢壁と比較して各時相を通して強かった.超音波内視鏡検査で胆嚢内腔に比較的薄く,均一な厚さの隔壁構造を認めたが,結節や腫瘤は認めず,胆嚢壁の肥厚やRokitansky-Aschoff sinusの拡張所見も認めなかった.特徴的な画像所見から多隔壁胆嚢と診断し,腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した.切除標本の肉眼所見では胆嚢内腔に多数の隔壁を認めた.病理組織学的検査では,隔壁は円柱上皮で覆われ,胆嚢壁の固有筋層と連続性を有する平滑筋線維束が認められ,多隔壁胆嚢と診断した.多隔壁胆嚢の臨床的特徴,手術適応などについて文献的考察を加え報告する.