胆道がんは,日本を含むアジアで多くみられるがんの一つであり,本邦における5年生存率は15%以下と,膵がんに次いで予後不良ながんである.これまで十分な分子遺伝学的検討がなされていなかった胆道がんについて,近年複数のグループから大規模なゲノム解析が報告され,ドライバー遺伝子は部位ごとあるいは症例ごとに多様性を示すことが明らかとなった.すでに日本あるいは米国で治療薬の承認が進んでいるFGFR2融合遺伝子やIDH1に加え,HER2,KRAS,BRAFといった治療標的となるドライバー遺伝子が同定され,胆道がんの治療戦略はゲノム異常に基づく個別化医療へと大きく変化しつつある.本稿では,胆道がんにおけるドライバー異常と,それを標的とした主な治療薬開発の現状について概説する.