抄録
切除不能肝門部癌に対する内瘻手術Central hepaticojejunostomyについて,その手技および臨床的意義について報告した.本法は肝門部癌が主として左肝内胆管を占拠し,右肝内胆管との吻合が望まれる症例が適応となる.胆嚢を摘出後肝門部肝を一部切除し,癌を越えて右肝内胆管を露出して空腸と吻合する方法である.本法は肝切除最が極めて少なくてすむため手術侵襲が少なく,また胆汁の生理的流れに沿った方法なので胆管炎をきたしにくいなどの利点がある.現在まで4例に行っており,患者のquality of lifeの面でも有意義な術式であると考える.