胆道
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腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した高度炎症と癒着を伴った慢性胆嚢炎の1例
今井 政人加藤 一哉紀野 修一神谷 和則松田 年葛西 眞一水戸 廸郎
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1996 年 10 巻 2 号 p. 169-174

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抄録
高度の炎症と大網,十二指腸への癒着を伴い,副肝管を合併した慢性胆嚢炎症例に対して,腹腔鏡下に胆嚢摘出を施行しえた1症例を経験した.症例は,65歳男性.心窩部の激痛のため当院救急外来を受診し,即日入院となった.入院後の精査により,高度の炎症を伴う慢性胆嚢炎で,かつ胆嚢頸部での十二指腸との癒着が強く疑われたが,腹腔鏡下での胆嚢摘出は十分可能と判断され,腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した.超音波吸引装置およびendoscopic stapler等の使用と,われわれの提唱している順行性胆嚢摘出術である,Laparoscopic cholecystectomy from fundus downward(LCFD)の術式により,安全かつ確実に手術を施行しえた.また,胆嚢床に副肝管を認め,クリッピングした.本症例のように高度炎症とCalot三角部の癒着を伴う症例では,LCFD法がより安全かつ確実であり,また副肝管損傷防止のためにも有用であると思われた.
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© 日本胆道学会
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