胆道
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悪性胆道閉塞に対するPTCDの治療成績
小西 一朗上田 順彦広野 禎介
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1997 年 11 巻 4 号 p. 349-354

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抄録

PTCDが施行された悪性胆道閉塞110例(胆嚢癌19例,胆管癌34例,膵頭部癌33例,乳頭部癌10例,胃癌再発9例,その他5例)を対象として,施行時と管理時の安全対策の工夫,臨床的有用性と切除不能例の対処法につき検討した.全例刺入に成功し,種々の工夫にて,合併症は施行時の胆管内出血2例のみであった.胆管閉塞部位を上部と中下部に分けて減黄効果をみると,前者の有効率87%に対し,後者のそれは93%と両者間に差はなかった.減黄無効10例のうち根治術可能な4例に対し,排出自己胆汁の飲用を行ない効果をえた.掻痒感は全例が3日目までに消失した.術前質的診断の試みは89例に行ない,86例,97%の陽性率をえた.切除不能例に対し胆道再建術を第1選択として25例に行ない,それが不能であったうちの胆嚢癌6例と胃癌再発3例に対し,放射線治療をまじえつつステント留置を行ない,8例がチューブフリーとなり退院し,QOLの向上がえられた.

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© 日本胆道学会
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