胆道
Online ISSN : 1883-6879
Print ISSN : 0914-0077
ISSN-L : 0914-0077
腹腔鏡下手術導入後の総胆管結石症に対する治療方針
-当科の現況と問題点-
川辺 昭浩桜町 俊二小林 利彦吉田 雅行竹内 豊木村 泰三
著者情報
ジャーナル フリー

1999 年 13 巻 1 号 p. 45-50

詳細
抄録

総胆管結石症に対する治療法は,開腹手術に加え腹腔鏡下手術,内視鏡治療(ESTやEPBD)などの普及により大きな変化がみられている。当科では,腹腔鏡下手術を第一選択とし,合併症を有する症例や全身状態不良例は,適宜開腹手術,内視鏡治療などを選択してきた.1992年1月より1998年8月までに経験した65症例を臨床学的に検討し,当科の現況と問題点について報告した.腹腔鏡下手術は48例で試みられ,43例(経胆嚢管法21例,、胆管切開法22例)で完遂し,重篤な術後合併症もなく良好な治療成績が得られた.腹腔鏡下手術は,乳頭機能を温存しつつ一期的に胆石総胆管結石を治療できる利点がある。特に経胆嚢管法は,適応は狭いが,手技的にも容易で理想的な手技と考えられた.しかし,合併症を有する症例やhigh risk症例に対しては,内視鏡治療や開腹手術を適宜選択するべきであると思われた.

著者関連情報
© 日本胆道学会
前の記事 次の記事
feedback
Top