1999 年 13 巻 4 号 p. 327-331
胆嚢摘出術を施行して胆嚢隆起性病変と診断した56例(n=62)で,頻度の高かったコレステロールポリープ40例について,術前と術後の診断を比較検討した.超音波検査による術前診断の感度は94%,特異度は70%,正診率は81%であった.コレステロールポリープの大きさは10mm以下が95%で,多発病変は83%であった.腺腫合併を6例に認め,そのうち2例は同一病変内にコレステロールポリープと腺腫が混在し,いずれも大きさ11mm以上であった.大きさ11mm以上のコレステロールポリープは,腺管や固有上皮の過形成,腺腫あるいは癌を合併し,上皮性ポリープの性質をもってくるものがあるため,注意を要すると考えられた.