胆道
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Choledochoceleの症例検討-形態分類と合併症を中心に-
神澤 輝実屠聿 揚江川 直人石渡 淳一岡本 篤武松川 昌勝
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2001 年 15 巻 2 号 p. 104-110

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抄録

Choledochoceleを,胆汁と膵液の流出動態の観点から,膵胆管像における共通管の形成状態より三型に大別し,自験4例と文献報告55例を対象として各々の特徴を検討した.いずれの型も胆石の合併頻度が高かった.胆管と膵管が形成する共通管が拡張した共通管拡張型21例では,急性膵炎を9例,胆道癌を2例で合併した.胆管末端部が嚢状に拡張し,膵管末端部とともに共通管を形成して十二指腸乳頭部に開口する胆管末端部拡張・共通管形成型21例では,急性膵炎を6例で合併し,膵管の拡張を9例で認めた.胆管末端部が拡張し膵管と別個に十二指腸乳頭部に開口する胆管末端部拡張・共通管非形成型17例では, 急性膵炎や胆道癌の合併例はなかった. 膵管と共通管を有するcholedochoceleでは,膵液のうっ滞や胆汁の膵管内逆流などのために急性膵炎合併例が多い.特に共通管拡張型では, 膵液の胆管内逆流がみられ, 膵・胆管合流異常と同様に胆道癌発症を懸念する必要がある.

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© 日本胆道学会
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