胆道
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低位合流尾状葉胆管枝を伴う膵・胆管合流異常合併胆嚢癌の1切除例
青木 秀樹塩崎 滋弘松川 啓義高倉 範尚
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2002 年 16 巻 2 号 p. 132-136

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抄録

肝外胆管走行異常は,術中胆管損傷の原因として注意が必要であるが,決して稀ではない. 今回, 非常に稀な低位合流尾状葉胆管枝を伴う, 膵・胆管合流異常合併胆嚢癌の1切除例を経験したので報告する.症例は72歳男性で,右悸肋部痛の精査で胆嚢腫瘍を指摘された. ERCP, CT, 腹部血管造影にて, 膵・胆管合流異常を伴う胆嚢癌と診断された.また,ERCPで下部胆管に合流する,細い胆管枝を認めた.術中所見より,左尾状葉枝の膵内胆管への合流を確認した.膵・胆管合流異常や胆管拡張症等を認める場合には,さらに他の変異の併存を念頭においた充分な検討が必要であると考えられた. また, 肝十二指腸間膜の郭清の際には, 稀ではあるものの異所胆管の存在にも留意すべきと考えられた.

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