胆道
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Farrarの診断基準を満たした胆嚢管癌の1例
石渡 裕俊真口 宏介高橋 邦幸潟沼 朗生小山内 学松永 隆裕糸川 文英桜井 康雄中村 文隆道家 充
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2004 年 18 巻 5 号 p. 631-638

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抄録
症例は80歳, 男性. 胆管結石治療目的に当センター入院. MRCPにより下部胆管に結石を認め,胆管,胆嚢管の軽度拡張がみられた,内視鏡的乳頭括約筋切開術を施行し,胆管結石排石後にバルーン造影を行ったが,胆嚢管が造影されなかった.胆嚢管病変を疑い,超音波内視鏡検査を施行したところ,胆嚢管内に低エコー腫瘤像がみられ,胆嚢管腫瘍を疑ったが胆泥も否定できなかった,腫瘍と胆泥の鑑別を目的に,造影超音波内視鏡検査を施行したところ,腫瘤内に血流信号が認められたため,胆嚢管腫瘍と診断した.経口胆道鏡検査では, 胆嚢管分岐部付近に顆粒状の粘膜変化を認めた. 乳頭型胆嚢管癌と診断し,阻嚢および胆管切除,1群リンパ節郭清を施行した.切除標本では,胆嚢管の内腔をほぼ占拠する19×18mmの乳頭状隆起性病変がみられ,病理学的には乳頭膨張型の胆嚢管癌,pap,pT2 (ss, pHinf0, pBinf0, pPv0, PA0), n0, m0, fStage IIであった.
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© 日本胆道学会
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