胆道
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腔内超音波検査(IDUS)が診断に有用であったPeribiliary cystの1例
土屋 慎露口 利夫酒井 裕司小林 照宗福田 吉宏税所 宏光
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2004 年 18 巻 5 号 p. 639-644

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抄録
Peribiliary cystは胆管付属器腺内の貯留嚢胞であり,主な基礎疾患は肝硬変,門脈圧充進痙,全身性感染症,多発性嚢胞疾患である.それらは門脈血流の循環障害による,胆管周囲付属器腺の形態学的変化により生じると考えられている.症例は71歳,男性.近医にて肝内胆管癌疑われ,術前の進展度診断目的にて当科入院となった.PTCでは,左肝管狭窄とその末梢側肝内胆管の拡張を認めた.腹部CT,MRCPでは,肝外側区域に多発性の嚢胞と数珠上に拡張した肝内胆管との鑑別困難な所見を認めた.腔内超音波検査(IDUS)では,肝内および肝外胆管が胆管周囲の多発性嚢胞により,直接圧排されている所見を確認でき,Peribiliary cystと診断することが可能であった.我々はIDUSが診断に有用であった,Peribiliary cystの1例を経験したので報告する.
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© 日本胆道学会
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