抄録
胆管結石初回治療例における, 内視鏡的乳頭括約筋切開衛(EST)と内視鏡的乳頭バルーン拡張術(EPBD)の治療成績と結石再発について検討した. 対象の449例を一定の選択基準のもとにESTとEPBDを行った結果, EST群241例(53.7%), EPBD群208例(46.3%)であった. 結石の完全截石率は, EST群で98.3%(237/241)に対しEPBD群では95.2%(198/208)であり, 9例(4.3%)はESTへ移行した.偶発症は, EST群6.9%(17/246), EPBD群5.1%(10/198)であり, EST群では出血, 穿孔がEPBD群に比べ頻度が高く, 膵炎はEPBD群でやや頻度が高かった. 結石再発率は, EST群で10.4%(23/222), EPBD群2.1%(4/187)でありEST群で高かった. 胆管結石初回治療例に対するESTとEPBDは, 治療成績偶発症に差はないものの, 結石再発率はEST群で高く, EST後の消化管内溶液の逆流などが結石再発に関与している可能性が示唆された. これらの解明にはEST, EPBD後の長期予後の検討がさらに必要である.