胆道
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胆道内回虫迷入症の1例
坂本 一小林 滋前川 勝治郎中川 浩之前川 武男榊原 宣
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キーワード: 胆道内回虫迷入症
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1988 年 2 巻 1 号 p. 84-88

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抄録
最近ではまれな疾患となった胆道内回虫迷入症の1例を経験したので報告する.症例は51歳の女性で,突然の心窩部痛,背部痛,嘔気を主訴に来院し,急性腹症の診断で入院となった.入院時所見は,心窩部に圧痛を認めるのみで腹膜刺激症状や筋性防御は認められなかった.胆石症の発作を疑い排泄性胆道造影(以下DIC)を施行し,胆管内に索状の透亮像を認めた.次いで内視鏡的逆行性膵胆管造影(以下ERCP)を施行し,DICと同じように胆管内に明らかな索状の透亮像を認め,胆道内回虫迷入症と診断した.その後,駆虫剤(パモ酸ピランテル)を経口投与し,8日後虫体の排泄を認めた.
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© 日本胆道学会
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