胆道
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急性胆嚢炎に対する内視鏡的経鼻胆嚢ドレナージ(ENGBD)の有用性と問題点
浦田 孝広真口 宏介高橋 邦幸潟沼 朗生小山内 学中原 和之松崎 晋平岩野 博俊
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2007 年 21 巻 2 号 p. 145-152

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抄録

急性胆嚢炎に対する内視鏡的経鼻胆嚢ドレナージ(ENGBD)の有効性と問題点についてretrospectiveに検討した.対象は,ENGBDを試みた56例である.手技選択理由は抗凝固薬・抗血小板薬服用中,出血傾向を有する,あるいは胆嚢癌の併存を疑う例などである.手技成功は56例中44例,成功率78.5%であり,留置に成功した44例中43例,97.7%においてドレナージが奏功した.奏効までに要したチューブの平均留置期間は3.4日であった.合併症は急性膵炎1例(1.8%)以外に,ENGBD特有と考える胆嚢管損傷を2例(3.6%)に経験した.ENGBDはドレナージ効果が高く,特に,PTGBD,PTGBA困難例に対してはドレナージの第一選択になり得る可能性がある.しかしながら,留置成功率の向上が課題であり,今後処置具の改良,手技の進歩が必要である.

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© 日本胆道学会
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